帰り道は大雨だった
前回↓の続きです
「最後に1つ質問があります」 - 乳がんステージ4、主婦の日常生活。たまにお茶を添えて。
セカンドオピニオンを終えて、
東京駅のホームで整列して電車を待つ。
無事このまま家に帰れそうだと思ったあたりで、
たぶん、気が緩んだ。
あ、やばいと思うより先に、
両目から盛大に涙があふれていた。
私がすぐ泣くのは子どもの頃からのクセみたいなもので、
感情が言語化するより先に涙となって出てくる。
このクセは自分でもどうしても制御できない。
南国のスコールのように、ふいに大量の水分に見舞われる。
幸いマスクをしていたので、周りからは風邪っぽく見えたと思う。
夫は私のそういうクセに慣れているので特にリアクションしない。
ほんの数分で収まることも知っているし。
私の方が、なんでここで?と動揺していた。
一番驚いたのは、その時の感情が「悲しい」よりも「怒り」だったことだ。
駅のホームで、手放しで泣きだすほどに悔しがっているのだ。
私の中にまだこんな激情があるってことに圧倒された。
それはむき出しの生命力みたいなもの。
もっと言えば(書くのも恥ずかしいが)魂の叫びに近いもの。
「なんだとコノヤロ、ふざけんな!」と
私の中のヤンキーなオレが吠えていた。
全然まだまだ、こっからじゃんかと。
夕方のラッシュに近い時間で電車は混んでいた。
台風が通過したあとで天気はまだ不安定だった。
しばらく走ったところで急に天気が悪くなり、嵐のような風雨にさらされた。
風圧で車体が揺れるほどの突風と、なにも見えないような大雨の中を、
電車はぐいぐいと進んでいく。
「すごい雨だね」
あまり物事に動じない夫が心配そうに言うので、
「これは私の心象風景なんですよ」
などと軽口を返す。
どこまで2人で行けるだろうか。
このまま、行けるところまで