乳がんステージ4、主婦の日常生活。たまにお茶を添えて。

乳がん→肺転移。オタク体質のお茶好き主婦。基本は寝ています。

帰り道は大雨だった

f:id:mainichi4:20190914203616j:plain

 

 

前回↓の続きです

「最後に1つ質問があります」 - 乳がんステージ4、主婦の日常生活。たまにお茶を添えて。

 

セカンドオピニオンを終えて、

東京駅のホームで整列して電車を待つ。

 

無事このまま家に帰れそうだと思ったあたりで、

たぶん、気が緩んだ。

 

あ、やばいと思うより先に、

両目から盛大に涙があふれていた。

 

私がすぐ泣くのは子どもの頃からのクセみたいなもので、

感情が言語化するより先に涙となって出てくる。

このクセは自分でもどうしても制御できない。

 

南国のスコールのように、ふいに大量の水分に見舞われる。

幸いマスクをしていたので、周りからは風邪っぽく見えたと思う。

 

夫は私のそういうクセに慣れているので特にリアクションしない。

ほんの数分で収まることも知っているし。

 

私の方が、なんでここで?と動揺していた。

 

一番驚いたのは、その時の感情が「悲しい」よりも「怒り」だったことだ。

駅のホームで、手放しで泣きだすほどに悔しがっているのだ。

私の中にまだこんな激情があるってことに圧倒された。

 

それはむき出しの生命力みたいなもの。

もっと言えば(書くのも恥ずかしいが)魂の叫びに近いもの。

「なんだとコノヤロ、ふざけんな!」と

私の中のヤンキーなオレが吠えていた。

全然まだまだ、こっからじゃんかと。

 

 

夕方のラッシュに近い時間で電車は混んでいた。

台風が通過したあとで天気はまだ不安定だった。

 

しばらく走ったところで急に天気が悪くなり、嵐のような風雨にさらされた。

風圧で車体が揺れるほどの突風と、なにも見えないような大雨の中を、

電車はぐいぐいと進んでいく。

 

「すごい雨だね」

 

あまり物事に動じない夫が心配そうに言うので、

 

「これは私の心象風景なんですよ」

 

などと軽口を返す。

 

 

 

どこまで2人で行けるだろうか。

このまま、行けるところまで