「何を1番に考えますか?」
正面切ってこう問われ、私は答えに窮してしまった。
そろそろ治療薬を変えましょうという話になり、先生から示された薬が2つ。
いずれにしても副作用は小さくない。効果も違う。生活が変わり余生が違ってくるはず。
逡巡している私に、かけられた言葉が「」内だ。居合切りみたいな静かな迫力だった。
私はかなり優柔不断なので、「一週間下さい」と言ってダッシュで逃げてきた。
「ご本人が納得して治療しないと」そりゃそうですよね。しかし悩む。
納得か。たぶんだけど、納得は一生しないと思うのね。そもそも、がんになったことを納得してないし。結局どれを選んでも、後悔する時はするしなあ。
2択だったら、いっそのことツイッターの投票機能で決めるとか←おいおい
うーん、これがゲームだったら攻略サイトをカンニングしに行くのになあ。
それで、仮想プレゼンをしてみようかなと。自分自身に。
病院で2つの薬のパンフももらったし、自分にとってのメリットデメリットを調べて、これから表にしてみます。
「何を1番に考えますか?」は、全ては望めないですよという意味に聞こえた。
がんの治療は日進月歩とはいえ、私が選べる薬の選択肢が狭まっていくことは事実。
今まで使った薬は効かなかったわけだから。
「楽して長生きして、自宅でダラダラしつつ、年に数回ライブに行きたいです」
とボケようかと思ったら涙が出てきちゃったんだよね。泣き虫なのよ。
優柔不断で頑固で欲張りで。でも、誰でも、そんなもんじゃない?
今回は景気が悪い話でなんかスマン。個人的にもあまりグチグチしたくはない。
できれば機嫌よく、建設的な話をしたい。お、一番はこれでどうかな、仮に。